血圧を測ってみましょう

情報通信医学研究所 坂口正芳先生によります。

坂口先生は、日本腎臓学会腎臓専門医、日本糖尿病学会専門医、日本透析医学会透析専門医

現在、日本では40歳以上の2人に1人が高血圧といわれており、40代から増加します。40歳代で高血圧があると、高血圧がない場合と比べて死亡率が3.4倍になります。にもかかわらず40代男性の受診率は約7%と低いことが問題となっています。

 

まず、血圧を測ってみましょう。

 

 

血圧が高いと何が悪いのか?

 

高血圧が長期間持続すると、心臓と全身の血管に様々な障害を引き起こします。

 

たとえば心臓では心筋梗塞、脳では脳梗塞、脳出血、血管では大動脈瘤などのリスクを増大させます。さらに腎機能低下にも関わっています。

 

 

血圧を下げるのにどんな意味があるのか?

 

血圧を下げても、実感することは何もないと思います。

 

しかしながら血管の傷み方を抑えることができます。実際数々の臨床試験でも、血圧を下げることで、脳梗塞、心筋梗塞の発症を減らし、腎機能低下を緩和することが示されています。

 

 

血圧をどこまで下げれば良いのか?

 

日本高血圧学会のガイドライン(JSH2009)では、

 

 

若年者・中年者 130/85mmHg

糖尿病・慢性腎臓病・心筋梗塞後患者 130/80mmHg

脳血管障害後・高齢者 140/90mmHg

 

と示されています。

 

このときの血圧は外来血圧(病院・診療所での血圧)です。

 

 

これは目安であり、個々の患者さんの病状に応じて変化します。

 

なぜ家庭血圧が必要なのか?

 

血圧は常に変動しています。したがって朝の血圧と、外来受診時の血圧も異なります。

 

一般に、外来血圧と家庭血圧では後者の方が5-10mmHg低いと言われています。

 

病院で緊張して血圧が高くなる白衣高血圧や、朝血圧が高くても、外来では朝飲んだ降圧剤の効果で血圧は高くない人もいます。

したがって、家庭血圧の方が、患者さんの血圧の実態を反映しているといえます。実際、脳梗塞発症リスクとして外来血圧よりも家庭血圧の方が優れていると報告されています。

 

また、血圧の自己管理は、体調の変化に気づくだけではありません。モチベーション向上で、薬の飲み忘れも少なくなります。
家庭で血圧を測定しましょう

 

参考リンク

日本高血圧学会家庭で血圧を測定しましょう

http://www.jpnsh.org/general_panf.html

家庭血圧測定の指針の紹介

http://www.jpnsh.org/home_bp_gl.html